カシとのその後
カシと円満に別れることに失敗した私は、その後適当にカシと付き合っている。
カシと会うことは最少限にし、しかしカシを激昂させないように電話だけはするという付き合い方で。
カシは私が従順に電話をすることに安心したようだ。
「ミィが安定してくれて嬉しい。」
と何度も言った。
私は、
(いやいや、私、ケッキとどっぷり恋愛してます。)
と心の中だけでつぶやく。
あーあ、自分で蒔いた種。
不倫という弱みを握られて捨身のカシに強くは出られずにカシをだまし、もちろん主人もだまし、それでも恋愛至上主義のように愛するケッキと抱き合わずにはいられない私は一体どこへ向かおうとしているんだろう。
家族を愛することと女性として愛を育むことの両立の難しさは最初に学校で教えるべきじゃないかな。
純愛っていうなら離婚しなさいよなんてナンセンスなことは言わないで。