カシの子どもが欲しい
カシと私は子ども達を連れて大きな公園に行った。
もちろん子ども達は私達の関係はおろか知り合いということも知らない。
私達は子ども達の目を盗んで車の中でキスをした。
その後、サッカーボールを楽しそうに蹴るカシの子どもを、遠くからカシにもカシの子どもにもわからないように見つめた。
カシにそっくりな僕。
そんな僕がボールを追いかけて私に近づいてくる。
カシにそっくりというだけで、僕が本当に愛おしい。
そんな気持ちでカシの子どもを眺めているうちに、私もカシの子どもが欲しくなった。
理屈では片付けられない深い深い心の底から湧き上がるこの気持ちは、きっと本能からきているんだろう。
不倫で妊娠する女性はなんて浅はかで頭がお花畑なんだろうといつも思っていた。
でも、カシと私の子どもは、本当に本当に可愛いだろうな、、、と思うと、そんな女性が自分の欲望に忠実な女性が羨ましくなった。