嘘つきカシ
私はカシがサイトをしていることをつかんでから、何日間かカシの様子をうかがった。
自分でもどうしてこんなことをしたのかよくわからないが、私がサイトに気がついていることをカシが気がつくようにカシにヒントを出しながら。
そしてカシに電話でこう切り出した。
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ミィ「カシ、サイトしてるでしょ?」
カシ「・・・。」
カシ「えっ?サイトってどこの?してないよ。」
ミィ「・・・ううん、カシはサイトをしてる。」
ミィ「私はカシを責めるつもりは全くないの。私が原因であることももちろんあるだろうし。ただ真実が知りたい。」
カシ「・・・してないよ。」
ミィ「・・・私はカシをよく見てるの。カシのこと大好きだったから、カシが思う以上に私はカシのこと見てるの。だから私のことは絶対に騙せない。」
カシ「・・・。」
カシ「・・・俺はサイトをしていてもしていなくても、していないとミィに言うつもりだ。ミィはそれを知ってどうするつもり?」
ミィ「真実が知りたいの。それを聞いてどうするかはまだ決めてない。」
カシ「・・・俺はサイトをしていない。そう思うなら証拠を見せて。」
ミィ「・・・。」
ミィ「・・・私、泥仕合は嫌なの。サイトをしてるしてないをカシと言い争うのは嫌。カシの口から教えて。」
カシ「・・・。」
ミィ「・・・ねぇ、カシ。サイトで『誠実に付き合える人を探してます。1人見つかったらサイトはやめます。』って書いて、私を欺き、サイト上の女性も欺いて、一体何がしたかったの?」
ミィ「サイトで誠実さを装って、私だけじゃなくサイト上の女性まで騙して、そこまでしてカシは何を得ようとしたの?女性とメッセージのやりとりをした痕跡があるけれど、、、。」
カシ「・・・。」
カシ「・・・もし俺がサイトをしていたとしても、メッセージのやりとりはほんの1週間だけだ。」
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カシはサイトをしていたことを最後まで認めなかった。
でも、この会話で私が得たことは1つ。
カシは思ったより素直な人。
私が本当のことを教えて欲しいとお願いした時、私が彼に私を欺いた理由を聞いた時、カシは電話口で息を呑んだ。
彼は嘘をつくのが下手だ。
私は電話口でカシの顔は見えなかったけれど、聞こえるか聞こえないかの息遣いで彼が苦しんでいることがわかる。
そんなカシを逆に愛おしく思ってしまう私は、不倫で頭がおかしくなってしまったのかもしれない。