クマさんさようなら
私はクマさんに割く時間がなくなってきている。
カシと元カレ対応で精一杯。
毎日子どもの横に座って勉強を教える母親をこなし、主人に夜のつまみを作って出す妻を演じ、事務所で所長の隣で部下を演じなければいけない。その上、ヨガにエステ、ネイルに、、、24時間じゃ全然足りない。
誰もが羨むフレンチを食べても沢山のお金を貰っても、クマさんには何にも心が動かない自分に気がついた。
ーーーーー
ミィ「クマさん、ごめんなさい。私、クマさんを男性としてどうしてもみることができないの、どうしても、、、。」
クマ「なぜ????男にとって憧れの女性像の最高峰がディズニー映画のシンデレラ姫だとしたら、まさしくそのシンデレラ姫に出会ったくらい、姫に憧れてしまったんだよ。」
ミィ「・・・。」
クマ「姫と今以上に心を通わせることが出来たなら、僕はどれだけでも姫に尽くしていきたいと考えているんだよ。」
ミィ「・・・。」
クマ「姫が望むなら離婚するつもりだ。金さえ積めば、妻は離婚するはずだ。」
クマさんは、わかっていない。
努力で得られるものと得られないものがあることを。
高学歴の人ほど、努力をすれば人の心まで得られると過信してる。
人の心は努力をしても絶対に得られない。
諦めるしかないのだ。
ごめんなさい、クマさん。
本当に。
私には時間がない。
心を鬼にして、私はクマさんとのプラトニックの関係を終わらせた。
この決断がクマさんを追い詰めて、大変な事態を引き起こしたのである。