研究者からの手紙
研究者の家に置き忘れた荷物は、研究者が10月に郵送してくれると言っていた。
なかなか送ってこなかった。
いつになっても私のことは優先順位が低いんだな、、、と自嘲気味にひとりで笑った。
最終的には私が彼の家に取りに行くことになった。
会って渡すという彼を断固として拒否し、家の前に置いといて欲しいとお願いし、彼がいない時間帯を狙って荷物を取りに行った。
荷物の中に海外出張した時のお土産と手紙が入っていた。
手紙の中身は他愛もないお土産の説明だったが、私は手紙を見た瞬間に涙があふれて止まらなくなった。
どうやっていつも研究しているのか、どんな文章を書くのか見てみたいなと思っていた彼の字。
なぜこんなに涙が出るのかよくわからなかったが、ひとつ言えることは私は彼が好きなのだ。彼が私を好きじゃなくても。
カシは私の雰囲気を感じて「ミィが不安定になるからもう彼との連絡手段はたった方がいい」と優しく言った。