不倫の孔に堕ちました

ひょんなことから不倫の孔に落ちた私。 それから抜け出せなくなりました。 今は3人の男の間をゆらゆらと行き来しています。

私は不倫の孔に堕ちました。
堕ちてから孔から抜け出せなくなりました。
不倫の孔は幸せの孔なのか、地獄の孔なのか、、、。

100%応援するという言葉と曇り顔

懐石を食べに行った。
数年先まで予約がとれない知る人ぞ知る懐石料理のお店。
偶然友人がそのお店で働いていることを知った私は、
「急なキャンセルが出たら教えて。私行くから。」
と言ってあった。
コロナの影響なのか、友人から週末キャンセルが出たとの連絡があり、大喜びでケッキと懐石デートをしてきた。


大ぶりの桜の枝が前菜と一緒に出てきて、「こんなご時世だから、ここでお花見をしていってくださいね。」と言われた時は、暗い話ばかりのなか、急に春がきたような気持ちになって、ケッキと目を合わせて笑った。
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懐石デートの後に、ケッキのお部屋でセックスをし、そしてくっついたまま二人で30分ほど熟睡した後、目を覚ましたケッキがいった。


ケッキ『俺さ、別の大学に行こうと思っているんだよ。まだわからないけれど、すごく良さそうなんだ。』
ケッキの希望する勤務先は私の住んでいる場所からは遠い遠い大学だった。


(あー、とうとうきたか。)


彼は1か所にとどまって、安定して仕事をして満足するタイプではない。
常に挑戦し、ステップアップしていくのをよしとするタイプだ。
きっとそんな日が遅かれ早かれくるだろうと、そう覚悟していたが、もうその日がきてしまった。


『今、この大学にいるのは、ミィのそばにいれるから。今はもうそれだけの理由でこの大学にいるんだ。』
そういったケッキに、私は
『すごくいい話だわ。ケッキがキラキラとさらに輝いているのが目に浮かぶよう。私は100%応援したいと思う。』
と言った。


でも、私の顔が曇ったようだ。
そんなポジティブな言葉を言いながら、私は本当に悲しそうな顔をしてしまったようだ。
ケッキはそんな私をみて私の頬を撫でて
『俺達は愛し合っているんだから、大丈夫だよ。距離が離れたくらいで何かある仲じゃもうないから。』
と言った。

子どものようなケッキ

ケッキは咳がなかなか治らない。
だから、研究室で研究助手の方々にかなり嫌がられているようだ。
あるとき、一人の研究助手に「先生、実験室に入る時は、事前に電話してくれませんか!!!その時は実験室を離れるんで!!!」と冷たく言い放たれたらしい。


ケッキは「まず俺の身体を心配するのが筋だろう!!!」と電話口でご立腹。


(いやいや、あんた病院行けって。このご時世、大迷惑だろうが。)


と思ったが、優しく言った。


ミィ「病院行ったらいいじゃない。その助手さんの言い分もわかるわ。」
ケッキ「いや、行きたくない。行っても治らないことはわかってるから。」
ミィ「病院に行かないと抗生剤とかもらえないでしょう?」
ケッキ「俺は市販品の抗生剤を買って、色々試して飲んでいるから、大丈夫。」
ミィ「病院に行きなさい。」
ケッキ「いや、行きたくない。」


チッ!!!!
(心の中で舌打ち。これだから、なまじ知識がある人間は困る。自分の知識が正しいと思い込んで人に迷惑をかけるのだから。)


と思ったが、優しく言った。


ミィ「ケッキは子どもみたい。」
ケッキ「ミィが俺の味方をしてくれなくて、助手のほうの肩を持つから、、、。」
ミィ「じゃあ病院は行かなくてもいいから、生野菜ジュース、毎日飲んで。がぶ飲みして。」
ケッキ「病院は行きたくないけど、ジュースは作って飲むよ。」


ケッキの血圧が上がった時に、無理やり買わせたジューサーで野菜ジュースを飲むことを約束させたけど、、、、、男の人って本当に子どもだよね。

病める時は

私はすごく怖がりだ。


一番怖いのは病気。
それは両親が本当に苦しんで亡くなったからトラウマがあるのだと思う。
だから健康には結構気をつけている。
なのに木曜日から胸に鈍い痛みが走るようになって、数日経っても消えない鈍い痛みにすごくナイーブになった私。
(もしかして心臓の重い病気???)


そんなメソメソの私にケッキは色々調べてくれて、『ミィは俺にしか言えないだろうし、何度でもグズグズ言ったらいい。一緒に病気のことを調べよう。』と言ってすごく心配してくれた。


そして私に甘々のクマさんは、『ミィはとても怖がりさんだから僕が病院について行ってあげる。』と言い、さらに私の息子が、『お母さん怖がりだから俺が一緒に行こうか?』と言い、意外なことに最後は主人が『仕方がないから俺が行くわ。』と言った。


ちやほや男性軍団に息子が混ざる日がくるとは感慨深い、、、、。


結局、主人と病院へ。


どんなに他の男にちやほやされても、やっぱり病める時は主人と一緒にいくのが落ち着く、、、そう思った経験だった。


健やかな時は不倫パートナーと、病める時は配偶者と、、、そんな関係はバレなければいいのか、それとも神様に天罰を受けるのか、どっちだろう。