私は料理が得意である。
それは、忙しかった母親に代わって小学生の頃からお弁当や食事を作っていたという環境があるが、とにかく料理が好きなのである。
しかしながら、私はカシと付き合っている時は、ほとんどカシに対して手料理を振る舞わなかった。それは、カシの奥様も料理が好きなようで、家庭料理に慣れているカシは私の手料理をそれほど喜ばなかったからだ。
喜ばないのに手間がかかる料理を作るほど私もバカではない。
一方、元彼。
元彼の奥様は、料理が大の苦手である。
「朝ごはんを1時間ほど時間をかけて作っていると思ったら、サラダとスクランブルエッグしか出てこなかった、、、。」とぼやく元彼は、栄養士のお母さんをもつ。
栄養管理されたご飯を食べてきた元彼は、とにかく奥様の料理に不満があるようだ。
そんな話を聞いて、にんまりとする私。
元彼の家に行っては手料理を振る舞う。
制限時間は30分。
短時間で元彼が喜ぶご飯を提供する。品数はできる限り多く、そして汁物は絶対。
時間が余れば、元彼の夜食も作ってくる。
そんな元彼は私の料理と提供時間の短さに毎回驚く。
そして、最近はこう言うようになった。
「ミィの料理、全部美味しいし、全く違和感ないんだよな。おふくろの味と一緒なんだよ、、、、。」
最高の褒め言葉をもらって、嬉しくて嬉しくて飛び上がりそうになった。