スルメのようなカシ
カシはスルメのようだ。
噛めば噛むほど味が出る。
私は研究者の男と別れてカシと付き合った当初、カシが研究者の男の代わりには絶対になれない、絶対に研究者の男を忘れるのは無理だと感じた。
でもカシは「3ヶ月だけ俺にちょうだい。絶対に忘れさせてあげる。何もしないで諦めるの嫌なんだ。」
と言った。
今まで付き合ってきた男にしてきたように、カシの奥様を尊重し奥様を第1優先として私が何も言えないでいると、「ミィは我慢しなくていい、ミィは俺に主張する権利があるんだから」と言った。
優しくジェントルマンでそれでいて譲らない男らしいカシをどんどん好きになって、研究者の男を思い出さない私がいた。