カシに嫌味を言ってみる
奥様の話がタブーであることは、再三カシに釘をさした。
だからカシは気をつけていてくれるが、やっぱり奥様の影がチラつくことがある。
それはカシが奥様と一緒に生活するうえで仕方のないことであると十二分にわかっているが、私は嫌味を言うようにしている。
「これ以上奥様の話、しないでよ」というけん制のためである。
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カシのライン「週末、アウトレット行ってきたんだよね。ミィと一緒に直そうって言ってた眼鏡直してきたわ。」
(はいはい、奥様とですよね、言わなくてもわかります。前に結婚記念お祝いを買いに行ってたもんね。)
(はいはい、ボーナスが近いもんね、お二人で楽しくお買い物ですよね。)
(はいはい、男女平等主義のカシはボーナスが出ても私には何か買おうという気はありませんよね、奥様に買ってあげたとしても。)
↑
と瞬時にこれだけの言葉が頭の中を駆け巡ってしまう私。
その後は、テンションが下がりっぱなしの一言返信の私と、何かを察知したのかテンションがいつもより高いカシ。
そして、次の日のお昼の電話。
他愛もない話から、アウトレットの話へ。
ミィ「アウトレットはどうだった?何か購入した?」
カシ「衣類を買った。ちょっとかわいすぎたかもしれない。」
ミィ「へぇ・・・奥様のものが可愛かったの?」
(↑奥様と一緒にいったとは聞いてないけど、かまをかけて、嫌味1を言う。)
カシ「いや、自分が購入したTシャツがさ、、、。嫁は違うものをね、、、」
(↑はい、引っかかりました。やっぱり奥様と行ってますよね。)
ミィ「カシご夫妻はアウトレットが好きだからねぇ。」
(↑嫌味2を言う)
カシ「そんなことないよ!!!ミィも一緒にアウトレット行くでしょ!!!」
カシ「嫁は助手席でゲームばかりしてたから、そんな話してないし!!!」
(↑そんなこと誰も聞いてないしね。)
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嫌味のひとつやふたつ言うと、いつも冷静なカシが動揺する。
慌てるカシを見ると、まあ許してやるかという気持ちになるのだ。