家族のもとから電話
単身赴任のケッキは今週から2週間ほど家族の元へ帰り、一緒に過ごしている。
私に『毎日時間を見つけて電話するよ。』と言って、帰っていった。
昔のケッキだったら、『俺は家族といる時は携帯とか見ないし連絡できないから。』なんて冷たいことを言っていたのだけれど、最近の彼は私に優しい。
そして有言実行で、私に電話をしてくれた。
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ケッキ『ミィ、お土産何がいい???ミィの好きなもの買って帰るよ。』
彼の電話口の声がいつもより明るい。
(・・・ああ、ケッキは家族と過ごすことができて喜んでいるのね。)
そんな男の声色のちょっとした違いでも敏感に感じ取ってしまうのが婚外恋愛だ。
日常的にどんなにケッキと愛し合っていても私は結局ただの不倫相手なのだと痛感する。
ミィ『ううん、私、お土産要らない。ケッキが帰ってきてくれたらそれでいい。』
私はそう答えた。
ケッキ『ミィ、そんなこと言わないで。何を買っていったらいいのか悩むじゃないか。』
ミィ『・・・うーん・・・じゃあケッキと一緒に食べられるものを買ってきて。』
ケッキが困っていたからそう答えたけれど、そんなお土産なんていらない。
私はケッキに帰ってきてほしいのだ。
そう、、、、何もいらないから、早く私の元へ帰ってきてほしい。