着物とクマさん
着物を着るのが大好きな私は、クマさんとのランチに時々着物で行く。
着物と同系色の帯や小物を合わせると着物が主張しすぎず、すごく清楚な仕上がりになるため高級店のランチに最適だからだ。
クマさんは大喜び。
こんなに着物が似合う人はいないと褒めまくり、お店で私のことを『姫、姫』と呼ぶのだから恥ずかしくてしょうがない。
そんな光景を、お寿司を握りながらニコニコとみている大将。
一回りも違う私達の関係を詮索することなく、心地よく季節を感じるお料理を出すプロだ。
そんな中でお寿司をつまみながら、考えた。
結婚前は、結婚後の生活や子どもへの遺伝を考えて、高給取りで高学歴の男としか付き合わなかった。
結婚後はどうだろう。
制約がなくなったぶん、自由に相手を選んでしまい、結局、お金のない男とばかり付き合って別れることを繰り返している。
着物を愛し、桐ダンスに入りきらないほどの着物を所有できるのは、両親と夫のおかげだ。
そんな生活にどっぷりと浸かった私が、お金のない男との不倫に満足できないのかもしれないな、、、と思った。